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4月19日のまにら新聞から

スペインの遺産を継承

[ 699字|2004.4.19|社会 (society)|新聞論調 ]

レガスピ生誕500年

 スペインでは今年、フィリピン諸島の最初の総督だったミゲル・ロペス・デ・レガスピの生誕五百年を祝っている。このスペイン・スバラハ出身の総督は一五六五年四月二十七日にセブに上陸した。セブで要塞を築いたあと七一年にマニラを占領し、そこに植民政庁を設けた。彼は七二年八月二十日に亡くなっているが、彼の名をもじったとされる「パシッグ」が現在の首都圏を流れる主要河川の名前にもなっている。

 スペインでは彼の生誕五百年を記念して十ユーロドル紙幣が発行されたほか、海外文化活動を担当するスペインの公社がフィリピンの国立博物館と共催で、マニラ市の同博物館でレガスピに関する展示会を開催している。この展示会には学生を含めて多くの市民が参加して欲しいものである。英国の有名な思想家で評論家のトーマス・カーライルは「歴史は人間の精神的な資質の最初の明白な産物」と語っているように、歴史を知ることは非常に大切なことだ。

 世界はグローバルビレッジとして一体化が進んでいるが、これも元をたどればスペインが最初に手掛けたものだ。スペインによる南北アメリカ大陸とフィリピンを含む「太陽の沈むことのない」帝国が完成し、その帝国が経営したマニラとアカプルコを結ぶ世界最長の航路だったガレオン貿易船が二百五十年運航されていたことに行き着く。

 国立博物館での祝辞でアティエンサ・マニラ市長は「マニラはスペインの誇るべき文化的遺産を受け継いでいる」としてスペインの貢献を評価している。スペインのおかげでフィリピンは人口規模でブラジルとメキシコに次ぐ世界三番目のカトリック教国になったのである。(13日・スター、アレハンドロ・ロペス氏)

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