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4月12日のまにら新聞から

候補者は争点を示せ

[ 691字|2004.4.12|社会 (society)|新聞論調 ]

「議論」なき大統領選

 大統領選候補の支持率調査は、誰に人気があり、誰が最高権力の座に最も近いかを教えてくれる。だが、これは五月十日に懸かっている問題の本質を語るものではない。

 選挙は候補者の経歴や性格ではなく、国が抱える諸問題をどう解決するかを選択するものだ。次の六年間、国を適正に導いてくれる大統領を選ぶのである。「楽しませてくれる」人物を選ぶのではない。

 候補者の中には、公約や将来への展望を示そうとしない人もいる。公開討論は、有権者に選択の基準を示してくれるはずだったが、期待はできそうにない。豊かな民主主義の経験を持つこの国で、大統領候補による討論回避は理解できないことだ。

 資源は枯渇する一方、人口は増え続けている。人口増加に歯止めをかけるのは誰か。教会と国家の関係、政教分離にどんな立場をとるのか。独立した政府と非宗教的な社会を追求すべきではないのか。多様な文化を持つ国を目指すのか。比部隊は衝突が続くイラクから撤退すべきか。     

 有権者には、候補者がこれら諸問題にどうか対処するか知る権利がある。他にも、憲法改正、選挙改革、雇用創出、富の再分配など問題は山積しているのである。

 選挙では、候補者がどの経済階層や地域に属しているのか、男女の役割分担の問題でどんな立場を取るのかなどが重要だ。

 一方で、有権者が選挙の集会に足を運ぶのは、楽しみのためだったり、時には謝礼をもらうためだったりする。候補者は歌い踊り、キスし握手をする。だれも考え方や政策の選択について議論しない。

 選挙の要素はそろっている。お金、宣伝、党派間の争い。ただし、「争点」を除いて。(7日・タイムズ)

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