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4月12日のまにら新聞から

統一選にどう臨むか

[ 690字|2004.4.12|社会 (society)|新聞論調 ]

復活祭の意味

 「復活祭」(イースター)の根本的意味は何か。それは神の示す精神を世界に広めたことにある。これと対極にあるのが「マックワールド」と言える。冷戦終了後、唯一の超大国となった米国はその価値感を世界に押しつけている。世界の主要都市に広がったマクドナルドは米国の覇権と経済のグローバル化を象徴する。

 ナショナル・カトリック・レポーター三月二十六日号は「キリスト教は、信仰を個人の領域の問題とすることで、マックワールド(米国の覇権)と平和共存の道を選んだ。そして今、マックワールドに対する強力な抵抗運動は、イスラム教世界から起きている」と記している。

 フィリピンにはキリスト教徒が大半を占めるにもかかわらず、いまだ汚職・買収の文化がはびこっている。現代の国家指導者中、「政治権力を私的利益のために乱用した」腐敗度の最も高い上位十人に、比人政治家がが二人もランクされた。

 しかし、われわれは二度のエドサ革命でこの二人を追放し、復活祭の意味を世界に示した。

 キリストは、生から死、そして復活という道筋を経て、私欲にかられた醜いわれわれ人間を救ってくれた。キリストの教えを通じて、愛や正義、平和の志が人類すべてに行き渡ることが大事なのである。それが復活祭の意味である。

 この心を持って五月の統一選挙に臨もう。一九九五年の選挙で、投票箱を役場に運ぶ最中、武装集団に殺された無名の女性教師がいた。彼女は犯人の要求を拒んだのだ。

 彼女やキリストがしたように、私たちも復活の時を刻もう。愛は、「運命の死」と「不死の命」をもたらしてくれる。復活祭に祝福あれ。(8日・スター、ルベン・タンセコ氏)

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