自治体の自覚求める
続わいせつ広告問題
「十五歳の少女を性的に味わう」ことを連想させるとして、女性団体などが強く抗議しているリムトゥアコ酒造の大衆ブランデーの広告。上院選に出馬するリム・元マニラ市長は幹線道路沿いの大看板によじ登り、「十五歳」の文字を削除した。だが、効果はなかったようだ。車で現場を通過する男性たちは、削除部分に頭の中でもっと若い年齢を当てはめることができるのだから。
このブランデーを誰かにすすめられたら、十五歳かそれより若い自分の娘や孫を「その誰か」から遠ざけたほうが賢明だ。また、夫がそのブランデーを買って帰宅するようなら、妻として夫を強く疑うべきである。
フィリピンではこれまでにも広告による女性への性的搾取は続発している。比航空会社「シーエア」の昨年と今年のカレンダーを送ってくれた読者がいる。添えられていた手紙には「観光振興か、それとも売春産業の奨励なのか」とあった。
そのカレンダーには裸の比人女性が寝室や海辺などでぎこちなくポーズを取っており、画質や女性の質は高くなく芸術と呼べる代物ではない。これを見て思い出したのが、一九八〇年代に観光省が作成したポスターだ。民族衣装の女性とともに印刷された「もっと」の文字が「もっと若い女性」を連想させるとして問題視された。
一方、パンガシナン州ダグパン市で昨年、オレンジジュースを待ちきれない様子の扇情的な白人女性の大看板をめぐり論争がぼっ発。しかし、看板撤去の決議案が市議会で通過し解決している。
ほかの自治体がなぜ、ダグパン市に習わないのか不思議である。(3月31日・インクワイアラー、リナ・ヒメネス・デビッド氏)