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3月26日のまにら新聞から

援助パソコン盗難

[ 668字|2004.3.26|社会 (society)|援助パソコン盗難 ]

パソコン配布の「無断再開」受けて在比日本大使館、貿易産業省に経緯説明を要請

 日本政府の無償援助でフィリピン全国の公立高校に贈られたパソコン類の連続窃盗事件で、在比日本大使館は二十五日までに、事業実施主体の貿易産業省に書面を送り、パソコン配布の見合わせを求めた同大使館要請を無視して配布再開に踏み切った経緯や理由などの説明を求めた。

 書面は同大使館の石井哲也経済担当公使から同省のアーミン・ラケルサントス次官補へ送られた。・配布再開の事実関係・再開に至った経緯や配布状況・・の二点について説明を求めている。

 同省側は「製造業者らとの契約を既に結んでおり、事業を推進しなければならなかった。大使館に事業を止める権限はない」と独自の判断で配布再開に踏み切ったことを認めている。

 大使館側も再開の通知を受けていなかったことを認めている。

 連続窃盗事件で、大使館は無償支援のパソコンが大量に盗まれる事態を憂慮し、昨年十二月に事件再発の防止策が策定されるまで新規配布を見合わせるよう同省に要請した。同省側は今年三月初旬、住民による警備強化や保険加入などの防止策を取りまとめたことを大使館側に連絡。これを受け大使館は同月中旬に配布再開を了承したことを同省へ通知した。

 しかし、実際には、大統領選など全国区選挙の選挙運動が解禁された二月十日に配布は再開され、三月四日までに援助対象校千百校の約三割に上る三百二十一校への配布が終わっていた。

 同省側は配布再開にあたって大使館側の了承を取り付けていなかった。さらに、配布再開の事実を伏せたまま、「配布見合わせ要請の解除」をめぐる大使館との交渉を続けていた。

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