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援助パソコン窃盗

[ 1149字|2004.1.28|社会 (society)|援助パソコン盗難 ]

タルラック州で逮捕の4容疑者が「盗品扱う人物に売却頼んだ」などと手口供述

レエサ容疑者らが犯行に使用した特殊工具で古い手錠を切断してみせるタルラック署捜査員

 ルソン島中部タルラック州の高校から日本政府援助のパソコン類を盗んだ疑いで二十一日に逮捕されたフィリピン人男性四人は二十七日、国家警察タルラック署でマニラ新聞の取材に応じ、「パソコン教育用教室の窓枠を外して侵入した。盗んだパソコン類は盗品を専門に扱う人物に売却を頼んだ」などと犯行の手口を語った。ほかの援助パソコン窃盗事件への関与を否定する一方で、「パンパンガ州を拠点にする数グループがルソン島中部の高校でパソコン窃盗を繰り返している」と供述、援助パソコンをめぐり複数の窃盗団が暗躍していることをほのめかした。

 国家警察も既にこれら窃盗団の一部を認知している。主要メンバーの名前や一部隠れ家の場所を特定するなど捜査を進めており、「メンバーの動きを監視している段階。証拠が固まり次第、逮捕する」(捜査担当者)としている。

 調べでは、四人はパンパンガ州マバラカット町の無職、フェルナンド・レエサ容疑者(33)ら。今年一月十八日未明、タルラック州タルラック市のアルビンディア・アグソ高校から援助パソコン本体二台とモニター十六台、プリンター一台などを盗み出し、計一万六千ペソで売却した疑い。

 四人によると、パソコン窃盗団のメンバーと最近知り合い、盗品転売で得た多額の現金を見せられたことから今回の犯行を思いついた。窃盗団との関係については「指示や情報提供は受けていない。四人だけで計画、実行した」と否定している。

 事件当日は、鍵を切断する特殊カッターなどを買いそろえた後、知人から借りたジプニーで移動しながら侵入先を物色した。

 同校を狙った理由については「比較的校内の照明が暗く、警備員もいないようだった。アンテナが立っていたのでテレビなどの家電製品があると思った。校内を調べていると窓のすき間からパソコンが見えたので盗んだ」と説明。同校が援助パソコンの支給対象になっていたことやパソコン教室の位置などは事前に把握していなかったという。

 また、地元パンパンガ州から隣接するタルラック州で事件を起こした点については、「万が一、地元で捕まると恥ずかしい思いをする。他の州なら知られないから」と語った。

 盗み出したパソコン本体などは、知人の窃盗団メンバーに紹介された比人男性に転売を依頼。男性はパンパンガ州アンヘレス市内のパソコンショップを四人に紹介し、値段の交渉なども代行したという。

 レエサ容疑者らは「男性は盗品を専門に扱っていると聞いた。転売先を紹介してくれたお礼に五百ペソを払ったが、ショップからも紹介手数料を受け取っていたようだった」と話している。

 日本政府の援助パソコンを狙った連続窃盗事件は二〇〇二年一月から〇四年一月にかけ、ルソン島の七州二十四校で起きている。

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