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12月29日のまにら新聞から

ハロハロ

[ 539字|2003.12.29|社会 (society)|ハロハロ ]

 最近、私立の幼稚園の授業を見学する機会があった。やはりというべきか、子供達の姿勢は「個性」に富んでいた。背筋を伸ばしている子はわずか。ほおづえやふんぞり返り足を伸ばした姿はざら。中にはイスにあぐらを組んだ子まで。教師は特に気に掛ける風もない。教室内の壁に「整理・整頓、清掃励行、行儀正しく」といった類の標語は見当たらなかった。

 ラモス元大統領の就任直後、来比したシンガポールのリー・クアンユー現上級相が「フィリピン人にしつけの何たるかを教えてやる」と述べたのはあまりに有名。あれから十年。「比人としつけ」に関する話題は耳にたこができるほど聞かされた。だが、状況に変化の兆しはない。幼稚園の授業風景に問題の原点を見た。親、教師にしつけ意識がない。これでは一体誰がしつけをするというのか。

 首都圏の交通渋滞の原因は人為的な面が多い。交差点の角で客を無神経に拾うバス、ジプニー、赤信号になっても交差点内に入り込み道をふさぐ一般車。自分で車を運転してみたら、この国の政治・経済の混乱と路上の無秩序ぶりとが重なってくるはず。ある日本の独文学者は「子供と犬のしつけはドイツ人にまかせろ」と題した本を書いた。この際、比人海外就労者が一人でも多くドイツで働くことを勧めたい。(康)

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