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12月9日のまにら新聞から

援助パソコン盗難

[ 1061字|2003.12.9|社会 (society)|援助パソコン盗難 ]

日本政府無償援助のパソコン盗難被害、ルソン地方の7州23高校に被害が拡大

パンパンガ州の高校ではパソコン本体だけが持ち去られ、モニターなど周辺機器が使われずに放置されている

 日本政府の無償援助(総事業費六億ペソ)でフィリピン全国の公立高校に贈られたパソコン類を狙った連続窃盗事件で、盗難被害に遭った高校がルソン地方の七州二十三校に上っていることが八日、貿易産業省などの調べで明らかになった。盗まれたパソコンは計約二百七十台。モニターなど周辺機器を含めた被害総数は約千点に達している。中には、学校側に引き渡された直後に盗まれ、援助パソコンを使った授業を始めることができなかったケースも出ている。

 被害に遭った高校の数は、州別にカリンガ一校、南イロコス一校、ラウニオン五校、パンガシナン三校、タルラック八校、パンパンガ四校、ラグナ一校。各校には、二〇〇一年十二月から〇二年二月にかけてパソコンのセット(本体二十台とモニター、プリンターなどの周辺機器)が順次届けられ、同年三月までに設置と正式な引き渡しを完了した。

 最初に被害に遭った高校は、パンガシナン州ウルダネタ市のアノナス高校。正式引き渡しから約五週間後の〇二年一月二十八日、パソコン二十台、モニター二十台、キーボード二十台、プリンター二台、スピーカー二十セットなどが根こそぎ持ち去られた。

 また、同州マガタレム町のマカラン高校では、正式引き渡しからわずか九日後の同年三月十七日に事件が発生。パンパンガ州マガラン町のドロレス高校のように、正式引き渡し(同年三月十四日)の前、設置作業中の同年二月二十五日に被害に遭うケースもあった。

 事件続発を受け、ロハス貿易産業長官は同年四月下旬、内務自治長官あてに警備強化などを求める書面を送った。しかし、被害はその後も続き、最近では〇三年十一月二十八日未明、パンパンガ州サンルイス町のサンカルロス高校のパソコン教育用教室に何者かが侵入、室内にあったパソコン本体二十台を持ち去った。 ルソン地方で寄贈対象になった公立高校は五百三十四校あり、計一万六百八十のパソコンセットが贈られた。被害が多発しているラウニオン、パンガシナン、タルラック、パンパンガ四州の寄贈対象校で、被害に遭っていない高校は約百校あり、今後も事件が続発する可能性がある。

 援助事業は「公立高校のためのパソコン・プロジェクト」。日本政府の無償援助を受けて、全国の公立高校(ルソン地方五百三十四校、ビサヤ地方約二百三十校、ミンダナオ地方約二百三十校)に、新品のパソコン本体など計二万セット(一校当たり二十セット)が贈られた。学校側への引き渡しは〇二年一月の小泉純一郎首相の来比に合わせる形で始まり、〇三年六月までに完了した。

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