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12月1日のまにら新聞から

人気選挙は国の悲劇

[ 702字|2003.12.1|社会 (society)|新聞論調 ]

「映画王」の出馬宣言

 映画王フェルナンド・ポー・ジュニア氏の人気は高く、大統領選での勝算の高さは否定できない。しかし経験のなさを考えると、大統領として本当に国を治めることができるかどうか。 

 いくら誠実で人々に奉仕する気があろうと、彼には政治にかかわった経験がない。エストラダ前大統領は町長から上院議員、副大統領と経験を積んだ。ポー氏はどんな経験があるというのか。「完全に無」である。

 ポー氏の能力と経験のなさは問題の根源だ。大統領顧問を多く必要とし、身勝手な意見に振り回されるだろう。エストラダ前大統領が抱え込んだのと同じ問題である。ポー氏が正直で誠実な人物であることは認める。しかし大統領が顧問に政策課題のほとんどすべてを委ねるところに落とし穴がある。彼は大統領の地位を得るかもしれないが、実際に国を統治するのは顧問たちだ。

 問題は彼がいまだに明確な政策を打ち出せていないことに典型的に現れている。彼の経済顧問たちは目下、選挙公約の策定を行っている。つまり現時点では何も提案できないということだ。人気しか取りえがない。

 しかし、フィリピンの選挙のカギを握るのは人気と大衆受けである。大統領を目指す者が大衆受けにのみ頼るというのは国家的な悲劇だ。

 上院を見よ。バスケットボールのスター選手、映画俳優、賞味期限切れのコメディアン、アクションスターとテレビのニュースキャスター││有権者の未成熟さがもたらした結果である。公約ではこの国の選挙には勝てない。大衆受けと人気がものを言うのだ。エリート主義で候補者を選ぶということもない。もはや美人コンテストと変わりがなくなった。(28日・スタンダード、エミル・フラド氏) 

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