ハロハロ
ギンゴナ大統領の与党ラカス辞任ぐらい分かりにくいものはない。「私は辞任する」と大見得切って副大統領は辞任届をラカスのチェアパーソン、アロヨ大統領へ送った。党の総裁を辞任するのだから、党に関する不満なのかと思ったら大統領との政治信条の相違や現政権への落胆も述べている。
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大統領への不信をこれだけ公表したら、副大統領職辞任を表明するのが筋だろう。副大統領と大統領は別々に選挙で選ばれるから、選挙で信託を受けた副大統領が辞任しないケースは考えられる。しかし、ギンゴナ氏はエストラダ前大統領追放後、アロヨ大統領に指名されて副大統領になったのである。当の大統領に弓を引いてそれでも辞任しないのだ。
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もっと不思議なのはそれを誰も公然と指摘しないことだ。それどころか、大統領は「この」副大統領に後事を託してアセアンの会議に出かけてしまった。副大統領がやめないのは自分の都合を考えた行為ではなく「愛国的行動」などという論調まで出ている。他人の国のことをどうこう言える状況ではないが、それにしてもこの国の政治はどうなっているのか。(紀)