上下院調査は不要
国軍将兵反乱事件
上下院による国軍将兵反乱事件の調査は不要だ。証人喚問は早速茶番劇的な要素を露呈しつつある。各議員は事件の解明よりも自分が目立つことに専念しているからだ。これが不要論の第一の理由だ。
二つ目は、将兵を証人として召喚することで、反乱兵士が自己宣伝する機会を与えてしまうことになりかねないためだ。準備不足により失敗したクーデターに関与した将兵らにさらにチャンスを与えることはない。
さらには、大統領任命の「独立調査委員会」の存在がある。独立委がきちんと調査をするためには、証人が国会と独立委の間を意味なく往復することは避けなければならない。しかも国会議員らは我田引水のばかげた質問をするだけで、問題の本質に迫ることは期待できない。独立委による調査の遅れも問題だ。アロヨ上院議員は上下院の調査委を指して「魚を釣る気がないのに漁具だけ見せびらかす釣り師」と評した。
一方、注意すべきことがある。上院議員六人による「国会調査必要なし」との意見は「反乱将兵に法廷以外の場で発言させたくない」というアロヨ政権の意向を代弁していると言える。問題隠ぺいのにおいが濃厚である。
国会による調査は独立委が調査報告を出した後でいい。独立委の報告を下敷きにして、補足調査すれば、今の国会に欠けている「問題の焦点」がはっきりするはずだ。このためにも独立委の調査は公開で行われる必要がある。テレビ放映が無理ならば、録音だけでもやるべきだ。
国会は証人を召喚して調査しても、問題究明に何らの貢献もできはしないだろう。 (5日・トゥデー)