「ひも付き」を見破れ
統計調査の問題
統計調査の結果がスポンサーの意向に左右されたり、調査結果に科学的な裏付けがあると信じて振り回されるのは不幸なことだ。
「集計誤差」はアンケート調査などの調査対象が少なすぎたりするために生じてしまうが、一般的な世論調査ならば三%程度に抑えられる。つまり本質的な問題は集計誤差にあるのではない。誤った調査結果に導くのは、「非集計誤差」と呼べるような、一見無害そうで測定するのが複雑な様々な要因で構成されている。
調査機関が「誤差三%」と発表した場合、サンプル数が少なすぎるなどのずさんな調査手法やスポンサーの意向次第では実際の誤差は三〇%にも達することになるが、こうした弊害はどんな調査にもつきものだ。
ある種の調査では調査対象から特定の家族や個人が除外されるが、意識的でなくてもその時点で既にバイアスがかかることになる。また、調査機関が特定の結果を導こうと意図的に調査対象地域を取捨選択することも有り得るだろう。モール入口での調査や特定の新聞購読者を対象にすれば、当然何らかの偏りが生じる。
たとえ対象者に偏りがなかったとしても、質問の仕方も結果を大きく左右する。例えば「二〇〇四年の大統領選で誰に投票しますか」と「〇四年の大統領選で〜に投票しますか」との間には大きな隔たりがある。前者の場合、想定される回答にはロコ前教育長官、ラクソン上院議員、ギンゴナ副大統領︱︱など様々だが、後者では「はい」「いいえ」などと答えるしかない。
調査結果を読み解くには、調査過程をあらゆる角度から検証する必要がある。もし、適切でない手法が見つかれば、その調査は「ひも付き」と判断されるべきだ。(4日・トゥデー、トマス・P・アフリカ氏)