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6月23日のまにら新聞から

五感生かし改善せよ

[ 697字|2003.6.23|社会 (society)|新聞論調 ]

不正確な天気予報

 休校の指示が政府当局から出されないままに、生徒が洪水の中、学校に取り残されてしまったことが今まで何度あっただろうか。逆に、台風警報が出て休校となったのに、生徒が晴天を楽しむ結果となったことも何度あっただろうか。

 宇宙探検が行われ、インターネットが普及する時代にもかかわらず、フィリピンの天気予報は相変わらず不正確なままだ。強風や台風に関する警報で、雨量が正確に予報されたことはない。さらに、季節風による雨量を予測する信頼できるシステムもない。

 雨期には季節風の影響でしばしば大雨が降り、洪水が発生する。学校が独自の判断で生徒を帰宅させることを決めたときには、すでに道路は洪水により通行不能で、何千人もの生徒が立ち往生する。この悲惨な状況から生徒を解放するために、何らかの対策が取られるべきだ。

 フィリピンに長く暮らしている者であれば、雲や風、気温、湿度などから、夜明け前に大雨が待ち受けているかどうかをかなりの正確さで予測することができる。気象庁や地方自治体、教育省の持つデータとこの経験に基づく予測を総合して、最終的に休校の判断を下すようにしてみてはどうだろうか。

 この新システムには夜明け前に起きていて、五感を駆使して天気を予測する者が必要だ。二十四時間体制で働く職員を抱える首都圏開発局(MMDA)は、首都圏でそのような役目を果たすことを買って出ているという。複数の政府機関による混成チームを設置、全国に設置してもよいだろう。

 このようなシステム構築は決して簡単なものではない。しかし、公共の不便を最小限にできる可能性があることは何でも挑戦する価値がある。 (19日・スター)

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