ハロハロ
海外邦字紙が加盟する海外日系新聞協会(事務局・横浜市)が結成以来の財政危機に直面している。外務省からの助成金カットや内閣府の海外日系報道機関研修の中止、国政選挙の政党広報の大幅カットなどで苦しい台所事情が続く。来年は結成三〇周年を迎えるが、記念事業の開催を危ぶむ声もある。
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十一月に東京で開かれた年次総会に初めて参加した。出席者は加盟二十一社のうち八社、委任状を含めて辛うじて総会が成立した。参加者が減少した理由は「外務省からの助成金が打ち切られ海外参加者の経費負担が増えた」(高倉道男会長)という苦しい事情がある。海外邦字紙は日系一世が他界し、人口が減少してる上、日本語テレビや全国紙の衛星版の進出でどこも部数が伸び悩んでいるという報告もあった。
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来年の三〇周年事業は和歌山市で七月に開催される。事務局からは「財政の裏付けがないのに夢見たいな話しをしていても駄目だ」と厳しい意見も出た。経営規模も設立の歴史も違う海外邦字紙だが、いずれも在留邦人の立場から熱心な言論活動を続けてきた。討論を聞きながら苦しくても協会を支え、共同で編集作業を続けていこうという参加者たちの熱意に感動した。(富)