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7月15日のまにら新聞から

数多く成果少なし

[ 688字|2002.7.15|社会 (society)|新聞論調 ]

国家サミットの内実

 アロヨ大統領が昨年一月に就任して以来、二十二のサミットが開かれた。サミットの内容は住宅、生計支援、和平開発、和平治安、食糧、経済、ごみ、貧困対策、雇用、財政開発など。九日に開催されたのは麻薬・誘拐撲滅サミットだった。

 これらのサミットが開かれたのを機に、公共サービスと日々の生活が改善することへの期待が高まった。だが、対策の進ちょく状況は芳しくないか、何も講じられていないのが現状だ。

 ごみサミットを例に挙げよう。昨年初めにサミットが開かれたものの、今になってもごみ問題は首都圏のみならず、地方の主要都市でも深刻さを増している。 

 演説やサミットで問題解決への結論が出されたり、関係当局に報告書が提出された後、何が変わるのだろうか。次のサミットに向けた記録の保管にすぎないのだろうか。

 麻薬・誘拐撲滅サミットについて言えば、誘拐はいまや国家の安全保障面での脅威になっていることは否めない。このため、このサミットの開催価値は最も高かった。

 しかし、われわれは対策プログラムや事業内容と同様に、大きな懸案になっている多くの問題について協議したサミットの事後報告も知らされなければならない。

 サミットは国が直面する問題を協議する場を与え、対策を練る上で良いアイデアが導かれる。わたしは国家レベルの誘拐撲滅サミットを開催したことに反対しているのではない。各分野における指導力や組織力、資源を効率的に共同利用してほしいと望むだけだ。そうすれば、成果が明らかにされない従来のサミットと異なり、明白な結果を知ることができるだろう。(11日・インクワイアラー、ヘスス・シソン氏)

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