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2月26日のまにら新聞から

言語の文化を冒とく

[ 676字|2001.2.26|社会 (society)|新聞論調 ]

文字メールの流行

 携帯電話の文字メールが大流行している。ある日、見知らぬ人物から私の昼食を著しく邪魔するメールが入った。

 「UR NICE N CUTE(ユー・アー・ナイス・アンド・キュート)?」。彼らの仲間であるならば、「HU R U(フー・アー・ユー)?」と返すところだが、私は「NO」と返信した。

 その赤の他人はその後、こう送ってきた。「Y DO U THINK SO(ホワイ・ドウ・ユー・シンク・ソー)?」。この携帯電話上での会話はこれを最後に途絶えたが、私はこのくだらないやり取りにメール送信料の一ペソを取られたわけだ。

 この程度の会話で一般の人たちは五ペソ、良家のご子息たちは十—二十ペソは浪費するだろう。こうしてグローブやスマートなど携帯電話サービス企業は収入を得ている。

 文字メールの内容はたいがい、下品で卑猥(ひわい)、もしくは喜びや憎しみの感情表現で深い意味はあまりない。

 そして、使う言葉は「WER R U(ウエア・アー・ユー)?」や「HU U WT(フー・アー ユー・ウィズ)?」に加え、「GUD AM(グッド・モーニング)」、「GUD PM(グッド・アフターヌーン)」などの略語。

 明らかに言語として成り立たず、スペリングの崩壊、言葉の文化の冒とくである。

 さらには地上電話でも文字メールサービスを利用できるようになるという。社会はこれを「情報伝達のスーパー・ハイウエー」と呼ぶが、私はどうしても納得できない。

 文字メールは怠け者で無防備な人種が利用する手段だ。そして、どん欲な企業による「明日の新技術」の押し売りに過ぎない。

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