OICから「良い便り」
ミ島現地調査
約一週間にわたるイスラム諸国会議機構(OIC)特別使節団によるミンダナオ地方における調査活動は緻密(ちみつ)で詳細なものだった。
これは、一九九六年九月に政府とイスラム最大勢力、モロ民族解放戦線(MNLF)との間で締結された和平協定の履行状況を点検するためにOICの代表団二十一人を同地方に派遣して行われた。現地調査は、①政府の協定履行が著しく遅れている②ミスアリMNLF議長が知事を兼任するミンダナオ・イスラム教徒自治区(ARMM)への財源配分が不十分である、とのMNLF側の訴えがきっかけとなった。
調査結果を見ると、財政的に多くの問題を抱え、厳しい状況にあるフィリピン政府の協定履行状況を調査団は好意的に受け止めたようだ。
アレクサンダー・アギレ大統領安全保障顧問は「今回の調査結果により和平協定が確実に履行されていることがイスラム諸国側にも伝わったはずだ。これらの国からも資金援助を受けることができるだろう」と発言している。
最終的な調査結果は十一月にカタールで開催されるOICの首脳会議で報告される。ミスアリ議長は、かねて「もし納得行く協定履行がなされない場合は知事辞任、協定破棄も辞さない」と発言していたが、議長もOICの結論には納得するはずだ。宗教を越え国民が望んでいるのは平和と繁栄である。(1日・タイムズ)