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10月30日のまにら新聞から

何も悪いことは無い?

[ 608字|2000.10.30|社会 (society)|新聞論調 ]

大統領と取り巻きの腐敗

 大統領の息子二人が賭博疑惑に関連して上院の喚問を受けたが、上納金受け取りは否定した。しかし息子の一人、ジュード・エストラダ氏は、昨年六月のカガヤンデオロ市訪問に大統領専用機を使用したことを認めた。彼は「医療使節団」のために専用機を使ったと主張したが、新聞の報道内容はまったく違う。

 報道では、同氏は六月五日午後、大統領専用機で同市に到着、翌日帰途についたが、その際未払いのホテル代など六万一千ペソが残された。 

 友人たちと最高級レストランで夕食を取り、そのままライブバンドの演奏をバックにカラオケ大会を行ったという。彼の恋人とされる女性歌手の姿もあった。翌朝は政府所有の高級車を連ね、役人たちとエコツーリズムを楽しんだ。

 大統領は「息子は支払いの一部を請求されなかったようだ」と釈明している。また、ホテル代などを肩代わりした人を「善い人物だ」と評した。まるで何も悪いことは無いとでも言いたげに。

 大統領は「フエテン賭博」の上納金の一部を二人の上院議員に配分しようとしたと言われている。議員らは後で百万ペソに上る小切手を返しているが、返却さえすればよいと考えているようだ。

 元国家警察長官も大統領に勧められフエテン賭博に手を出した。また、国軍幹部はジュード氏の専用機使用を黙認した。この国には一体何人のジュード氏や国軍幹部たち、上院議員や元国家警察長官、さらにはこの大統領のような人物たちがいるのだろうか?

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