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7月3日のまにら新聞から

諸経費値上げの是非

[ 580字|2000.7.3|社会 (society)|新聞論調 ]

財政均衡に向けた政策

 石油製品価格の再値上げに加え、道路使用税の導入が決まった。そんな中、政府機関は国民が負担する行政サービスに関わる諸経費値上げを推進している。運輸通信省はこのほど、ジプニーなど公共交通機関の認可申請費用の五〇%アップを断行、さらに、運転免許証の取得料もほぼ二倍に引き上げた。

 これら経費値上げは、エストラダ大統領が出した行政令に基づくものだ。同令は「各政府機関は諸経費を最低二〇%引き上げる」ことを定めているが、値上げ幅の上限は明記していない。

 国民の苦情に対して、政府はおそらく、「値上げ幅を最小に食い止めたことに感謝すべき」と答えるだろう。しかし、上限が示されていない以上、この数カ月間で、「経費高騰」が起こる可能性は十分にある。

 これは、国際通貨基金(IMF)がフィリピン政府に対して、膨張する財政赤字を六百二十五億ペソにとどめるよう求めているためだ。パルド蔵相は目標額の達成に向け、道路使用税から四十億ペソの税収を見込み、行政経費の値上げにより五十億ペソの歳入増を狙っている。

  ミンダナオ紛争の激化で石油製品の値上げや新税導入、行政経費引き上げへの批判は薄れつつある。だが、市民生活が今後、一層圧迫されることは間違いない。政府は財政均衡に向けて、国民の負担を求めない政策を検討すべきだ。

 来年は総選挙の年。一連の政策の是非は、民意が決める。

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