3首脳が連携継続を確認 マルコス大統領、日米と電話会談
比日米の首脳が電話会談を実施。トランプ政権発足前に3カ国連携の継続を確認
マルコス大統領は比時間13日朝、バイデン米大統領、石破茂首相との3カ国テレビ電話会談に参加した。3首脳は海洋安全保障、経済的威圧への対応、重要インフラ強靭化、サイバー分野で協力が具体化していることを歓迎。南シナ海問題については、石破首相が前日までマレーシアおよびインドネシアを訪問し、海洋安全保障での具体的な協力で一致したことを紹介した。バイデン氏は「中国による攻撃的で威圧的な行動に対する対応」について、マルコス氏を称賛。「南シナ海における中国の危険かつ不法な行為」について意見交換し、3首脳は同志国をはじめとする国際社会の広範な関与を得ることの重要性を確認した。
会談中、マルコス首相は「比日米が3カ国協力の発展・深化によって得た収穫を保つために今後も緊密な連携を継続することに自信を持っている」と発言。バイデン大統領も「昨年4月の3カ国首脳会談以来、比日米関係は、特に海洋協力、経済安全保障、技術協力、質の高いインフラ投資の分野で歴史的な進歩をみせた。われわれは引き続きこれらの分野での協力を深化すべきだ。比日米はこのパートナーシップを継続し、永続するよう制度化することに共通の利益を持っている」と強調した。
その上で、バイデン大統領は「私の後任がこのパートナーシップの価値を理解し、正しい方法で構築されることを楽観している」と述べ、20日に就任するトランプ次期大統領が3カ国協力路線を引き継ぐよう期待を表明した。
経済分野では、昨年4月に実施された初の比日米首脳会議で打ち出されたルソン経済回廊などの進展を歓迎し、さらなる連携強化で一致。その中で石破首相は「強靭なサプライチェーンの確立のためには同盟国・同志国間の連携が必要不可欠であり、また、経済安全保障の取組を推進するためにも、企業が安心して投資を行うことができるよう取り組んでいくことが重要だ」と指摘し、バイデン氏が阻止した日本製鉄によるUSスチール買収について日米経済界の懸念を伝え、懸念の払拭に向けた対応を米側に求めた。(竹下友章)