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10月5日のまにら新聞から

大統領と石破首相初会談へ ラオスのASEANサミットで

[ 822字|2024.10.5|政治 (politics) ]

フィリピン外務省「ASEAN首脳会議に合わせてマルコス大統領と石破首相が初会談を行う予定」

マルコス大統領(左)と石破首相

 外務省のエスピリトゥ次官補は4日の会見で、6日にラオスで開幕する東南アジア諸国連合(ASEAN)首脳会議・関連会議に合わせ、1日に就任したばかりの石破茂首相とマルコス大統領が初の首脳会談を行う予定だと発表した。同次官補によると、会談では防衛協力や貿易投資協力が議論される見通し。フィリピンは日本と同じく米国との条約同盟国であることから、石破首相が主唱する「アジア版NATO(北大西洋条約機構)構想」についてマルコス大統領に直接説明する可能性もありそうだ。

 マルコス大統領は石破首相以外にも、カナダ、ニュージーランド、ベトナムの首脳と会談する予定。一方、中国との首脳会談については、「何も決まっていないが、排除しない」(同次官補)。カナダ、ニュージーランドは比との訪問軍地位協定(VFA)締結を検討中で、ベトナムは比と同様、南シナ海問題で中国と強く対立する国。比外務省は「大統領はサミット期間中に南シナ海問題について問題提起し、1982年の国連海洋法条約(UNCLOS)、および(中国の主張を退けた)2016年の南シナ海仲裁裁判所判断に基づき、比の主権・主権的権利・管轄権の防衛を主張する」としている。

 「ASEANは一致して中国の海洋進出に強い反対の声を挙げてこなかったが、今度の首脳会議は過去と違うものにできるか」との質問に、同次官補は「ASEANは南シナ海問題の平和的解決にコミットしてきた」としながら、「南シナ海問題については、ASEAN外の国家からの支援を求める機会となるだろう」との見解を示した。

 マルコス大統領は9日~11日の日程でラオスを訪問。一方、石破首相は9日に衆院を解散した後に同国に発つ。10日はASEANと中国、韓国、日本、豪州、インド、カナダの間の会合、およびASEANプラス3(日中韓)会合が開かれる。11日はASEAN・米国首脳会議、東アジア首脳会議、ASEAN・国連首脳会議が開かれる。(竹下友章)

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