【ニューデリー時事】フィリピン軍トップのブラウナー参謀総長は訪問先のインドで21日までに時事通信のインタビューに応じ、南シナ海で威圧的な行動を強める中国に対抗するため、「インドと同盟国になりたい」と述べ、軍事協力を強化する方針を表明した。自衛隊や米国、オーストラリアなど各国軍と行っている共同訓練にインドが参加するよう訴えた。
南シナ海で領有権を争う中国について「われわれの排他的経済水域(EEZ)に侵入し、領海にどんどん近づいている。フィリピンの島の領有権を主張している」と指摘。インドも中国と国境問題を抱えており、「共通の脅威に対抗するためのパートナー、同盟国になりたい」と強調した。
フィリピンは最近、超音速巡航ミサイル「ブラモス」をインドから購入した。インドがロシアと共同開発した兵器で、ブラウナー氏は「フィリピン軍にとってゲームチェンジャーだ」と評価。その上で「われわれは軍の近代化の最中。(インドから)他のミサイルシステムの追加購入を検討している」と明かした。
フィリピンは日米豪をはじめカナダやフランスといった国と南シナ海で共同訓練や共同航行を実施している。「南アジアの国と航行・上空飛行の自由を共に推進していることを世界に示すことができれば、国際秩序を乱そうとする国は考え直すだろう」と語り、インドが加わることに期待を寄せた。
ブラウナー氏はニューデリーで開かれたインド外務省など主催の国際会議「ライシナ対話」に参加するため訪印した。