サラ氏が施政方針演説欠席へ 自身を「指定生存者」と言及
サラ副大統領が22日のマルコス大統領による施政方針演説に出席しないことを明言
22日に予定されているマルコス大統領の3回目となる施政方針演説について、サラ・ドゥテルテ副大統領が11日、「参加しない」と明言した。2022年5月の大統領選でマルコス氏とタッグを組んで副大統領に当選したサラ氏だが、先月には教育相など閣僚職を辞任すると発表しており、施政方針演説にも欠席すれば大統領との協力関係が完全に破綻していることを示すことになる。11日付英字紙インクワイアラーなどが報じた。
サラ氏はまた、自身を「指定生存者」と述べた。指定生存者(または指定後継者)とは米国の緊急事態対策の一つで、一般教書演説や大統領就任式など大統領や政府要人が一同に集まる際、会場に対する外国からの攻撃やテロ、大きな事故などで出席者の多くが死亡したり、職務執行不能になった場合を想定し、立法府を維持するために閣僚や両院の議員の一部を会場から離れた非公開の安全な場所で保護する措置。
フィリピンでは導入されていないが、2019年にパンフィロ・ラクソン上院議員が大統領に指定生存者を指名する権限を付与する上院法案を提出している。
サラ氏は、自身を指定生存者とした理由については言及していない。当該インタビューの録画は11日に副大統領室からメディアに配布されているという。
サラ氏の欠席表明を受け、ロムアルデス下院議長は同日、「国民はリーダーたちが団結し、協力して善政を敷くのを見る権利を持っている。施政方針演説が比人の生活改善に向けた我々の連携した努力を反映したものになることを約束する。団結と協力こそが我々を前進させ続ける」と連帯の重要性を強調している。
今回のマルコス大統領の施政方針演説にはレ二ー・ロブレド氏やジェジョマール・ビナイ氏、ノリ・デカストロ氏ら歴代の副大統領も参加しないことをすでに公表している。(澤田公伸、ジャスパー・タン)