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7月2日のまにら新聞から

大統領信頼率33%に低迷 サラ氏41%に下落も及ばず

[ 952字|2024.7.2|政治 (politics) ]

マルコス大統領の第2四半期支持率は44%、信頼率は33%と現政権最低から脱せず

 民間調査会社パブリクスは6月30日、現政権に関する第2四半期世論調査の結果を発表した。それによると、マルコス政権全体に対する支持率は51%と過半数を維持したが、マルコス大統領自身の支持率は44%、信頼率は33%で前回と同じ現政権最低水準にとどまった。

 一方、先月19日に教育相と「共産主義勢力との紛争を終わらせる国家タスクフォース」(NTF-ELCAC)共同議長を辞任し、閣外に出たサラ副大統領の支持率は第1四半期比7ポイント減の46%。信頼率は5ポイント減の41%だった。

 正副大統領ペアは両方支持を失っているが、サラ氏が信頼率でマルコス氏に統計的に有意な差を付けた。サラ氏は2022年の統一選の前から国民人気でマルコス氏を上回っていたが、マルコス政権発足満2年の折り返し地点で、正副ペア「ユニチーム」が瓦解していく中、なおマルコス氏がサラ氏に一歩及ばない現状が露呈した格好だ。

 5月20日に突如起こった上院議長の解任劇を受け就任したエスクデロ上院議長の支持率は、前議長が第1四半期に獲得した58%より11ポイント低い47%。信頼率は前議長の45%から37%に下がった。パブリクスは「新議長は就任して間もないため、この下落はマルコス政権のせいとみなすべきだ」と解説した。

 次期大統領の座をサラ氏と競っているとみられていた、大統領のいとこで下院議長のロムアルデス氏は、支持率を第1四半期から2ポイント伸ばしたものの27%と引き続き低調。信頼率も1ポイント増の19%にとどまった。自身が強大な影響力を持つ下院で、機密費問題での追及やサラ氏の後見人アロヨ元大統領の副議長解任などを通じ、潜在的なライバルであるサラ氏が逆風が吹いた後でも、目立った支持率増にはつなげられなかった。

 政府機関別の支持率を見ると、最も大きな信頼を獲得したのは、技術教育技能開発庁(TESDA)で72%。それに、国軍(67%)、科学技術省(64%)、比中央銀行(61%)、社会福祉開発省(60%)、高等教育委員会(59%)、公務員サービス委員会(58%)、教育省(58%)、労働雇用省(56%)、保健省(55%)などが続いた。

 調査は6月15日から19日の間、比国民1507人を対象に実施された。(竹下友章)

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