大陸棚拡張を申請 比外務省が国連に
比政府は南シナ海の大陸棚拡張に関する申請を国連に提出。中国の海警法新規則に対抗か
比外務省は15日(比時間)、国際連合大陸棚限界委員会に対し、南シナ海に関する比の大陸棚拡張の申請を提出した。その日は、中国海警局が「違法入国者」を最大60日拘束できるとする海警法新規則の発効日。中国が国内規則によって海洋権益の主張を強化するのと同じタイミングに、国際法に基づいた海洋権益の拡大の表明をぶつけた格好だ。
大陸棚は排他的経済水域(EEZ)と同じく、領海基線から200カイリと定義されるが、陸地から続く斜面(大陸縁辺部)が続いている場合は、さらに最大350カイリまで延長できる。国連海洋法条約(UNCLOS)は沿岸国が自国の大陸棚に、海底資源の探査・利用に関する主権的権利を有することを規定。国連大陸棚限界委はUNCLOS付属文書に則って設立された機関で、その勧告に基づき設定した大陸棚限界は最終的かつ法的拘束力を持つことになる。
したがって、この申し立てが認められれば、南シナ海の海底資源を排他的に利用できる権利の拡大が国際法上で保証されることになる。
比は2009年に大陸棚延長に関する部分申請を行い、2012年に国連大陸棚限界委から、地下資源が埋蔵するとされているフィリピン海のフィリピン隆起(ベンハム隆起)に主権的権利を2012年に認められた。それに伴い、約13万5000平方キロの 海底が比の管轄下に加えられた。
外務省は声明で「この申請には、国家地図資源情報庁の作業部会が15年かけて取り組んできた。われわれの大陸棚には次の数世代に利益をもたらす資源が眠っている。この資源の独占的な開発の権利を表明することで、未来の利益を確保している」と述べた。(竹下友章)