「比の主権防衛を支持」 インド外相が大統領と会談
マルコス大統領は来比したインドのジャイシャンカル外相と会談し、海上保安協力を強化することで一致
マルコス大統領は26日、来比したインドのジャイシャンカル外相と会談し、海上保安協力を強化することで一致した。ジャイシャンカル外相は「インドは2016年の仲裁裁判所判断を尊重し、南シナ海問題でも毅然とした態度を取っている」と説明。また同外相は大統領に国賓としてのインド訪問を招待した。大統領は6日に比船員の乗るバルバドス船籍の貨物船がイエメンの反政府勢力フーシ派に攻撃を受けた際、インド海軍が救助に当たったことに触れ、直接感謝を表明。「比印は特にインド太平洋の平和と安定に関し、利害を共有している」と述べた。
ジャイシャンカル外相は比のマナロ外相とも会談。その後の共同記者会見では、「国家主権を守るフィリピンをインドは支持する」と強調。「地域の進歩と繁栄は、海洋の憲法である国連海洋法条約を順守することによって最もよく実現される」とし、比とは「特に防衛・安全保障協力を促進したい」との意向を表明した。
同外相はインド沿岸警備隊の94メートル級汚染防除船「サムドラ・パフレダル」のマニラ寄港とタイミングを合わせて来比。同船上でも演説を行い、インド沿岸警備隊、比沿岸警備隊間の協力を強化し、他の東南アジア諸国連合(ASEAN)地域の海洋汚染問題に関与を深めたいとの意向を表明した。また同相は、テオドロ国防相とも会談した。
こうしたジャイシャンカル外相の発言に対し、中国外務省は「海洋問題は当事国間の問題であり、第三国には介入する権利はない」と反論。関連諸国に対し「南シナ海問題の事実を直視し、中国の主権・主権的権利・海洋権益および南シナ海を平和に保つための地域の国々の努力を尊重すべきだ」と要求した。(竹下友章)