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11月21日のまにら新聞から

「南シナ海対応のため同盟強化を」 初の司令部訪問後に大統領

[ 832字|2023.11.21|政治 (politics) ]

マルコス大統領が比大統領として初めて米インド太平洋軍司令部を訪問。その後の講演では、南シナ海での緊張激化に対応するため、同盟国、友好国間の安保連携を拡大・強化する必要性を訴えた

比大統領として初めて米インド太平洋軍司令部を訪問したマルコス大統領(左)と、アキリーノ司令官(右)=大統領広報室が公開

 マルコス大統領は比時間20日、比大統領として初めてハワイの米インド太平洋軍司令部を訪問し、同軍のアキリーノ司令官らと安全保障情勢について意見を交換した。また、日本による真珠湾攻撃で千人以上の将兵と共に撃沈され、現在海上の慰霊施設となっている戦艦アリゾナ記念館にも訪れ献花を行った。その後、米国防省傘下のアジア太平洋安全保障研究センターで講演し、「南シナ海での緊張が激化する中、同盟国、友好国の連携を拡大・強化する必要性が高まっている」と訴えた。

 講演で大統領は、南シナ海南沙諸島アユギン礁(英名セカンドトーマス礁)付近で続発する中国船による比船への危険操船や放水砲発射などの比中間の海洋事件を念頭に、「南シナ海での緊張は、比が排他的経済水域(EEZ)に有する主権的権利および管轄権に対する脅威であり、1982年の国連海洋法条約や2002年の南シナ海行動宣言(DOC)を含む国際法規を無視した不法行為の増加に伴い増大している」と指摘。

 その上で、「国際法に基づいた権利の行使に対する支援の声を上げてくれることが、同盟関係の強さを証明している」と強調し、「米国や他のパートナー国が比の立場を支持していること」に謝意を表した。今月アユギン礁で中国船による放水砲発射事件が発生した際、日本を含む各国が駐比大使レベルで声明を出す中、米国は国務省が中国を非難、比を支持する声明を出している。

 大統領は「フィリピンは国外勢力に1インチも領域を譲ることはない」と改めて宣言。「ルールに基づく国際秩序の下、2国間、多国間、または地域的枠組みの中で国外パートナーと緊密に連携しながら国家の主権と領土一体性の維持を主張する」とした。

 さらに比の「地域の安全保障」への貢献にも言及。「地域的安全保障に関する頼れるパートナー」となるために、比国軍と沿岸警備隊の近代化投資を拡大する必要があると説明。米国の比に対する継続的な安全保障能力強化支援に期待を表明した。(竹下友章)

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