「他の同盟国も使用可能」 EDCA最大事業完工 バサ空軍基地
米軍利用可能施設プロジェクトで最大のバサ空軍基地滑走路再整備事業が完工。国防相は「比米の『同盟国』も利用可能」との認識を提示
比空軍は6日、比米防衛協力強化協定(EDCA、2014年締結)に基づき、米国の支援で行われていたパンパンガ州フロリダブランカ町にあるバサ空軍基地の滑走路再整備事業が完了したことを発表した。
比空軍は7日、まにらの取材に対し、「この滑走路は比米両軍だけでなく、他の『同盟国』との多国間活動で使用可能になる」と説明。日本や豪州がEDCA施設が利用できる『同盟国』に該当するかとの質問には、テオドロ国防相による回答として、「EDCA施設は比軍基地の中にあり、比米両国の調整によって決まる。比や米国の同盟国は、施設の利用を許可されうる」と説明した。
米国との軍事同盟国で比と訪問軍地位協定を結ぶ豪州は、比政府にも「同盟国」扱いされている。同じく米国との軍事同盟国で、現在比と訪問部隊の法的地位を定める円滑化協定(RAA)締結に向け交渉を進める日本も、締結後に比の「同盟国」扱いを受けることが想定され、日豪の将来的なEDCA施設への利用の可能性が強く示唆された。
バサ空軍基地の滑走路再整備プロジェクトは、現時点で決まっているEDCA事業で最大の13億ペソ(2400万米ドル)。建設は昨年12月21日に開始し、今年10月20日に完了。米国の化学工業企業大手ECCが受注した。EDCAに基づき、全国の国軍基地など9カ所が米軍と共用可能な場所に指定されており、数十の施設建設プロジェクトが進行している。
バサ空軍基地の前進は米国が戦前に建設したフロリダブランカ空軍飛行場。戦時中は一時日本軍が接収。1945年1月に同飛行場を取り戻した米軍は滑走路を延長し、爆撃機の出発地として活用した。(竹下友章)