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11月4日のまにら新聞から

OSAの初適用決定 RAA正式交渉開始

[ 931字|2023.11.4|政治 (politics) ]

岸田首相が就任後初の比訪問。初のOSA適用、RAAの正式交渉開始決定

献花のためホセ・リサールモニュメントを訪れた岸田首相(左)=3日午後4時すぎ、マニラ市のリサール公園で竹下友章撮影

 岸田文雄首相は3日、首相就任後初めてフィリピンを訪問した。2月にはマルコス大統領が訪日しており、1年の内に比日両首脳による相互訪問が実現した。首脳会談後に経済・安全保障に関する覚書や公式文書が交換され、初の安全保障能力強化協力支援(OSA)の適用例となる沿岸監視レーダー(約6億円)の供与が正式に決定したほか、昨年4月の比日外務・防衛閣僚会合(2プラス2)で議論が始まっていた比日円滑化協定(RAA)の正式に交渉を開始することを決定。また、日米比の3カ国安全保障協力をさらに加速させることで合意した。

 海上安保協力については、「巡視船の供与を含む」海上法執行能力向上支援、「警戒管制レーダーの移転を含む」技術協力を一層進めることを両首脳は確認した。

 経済分野では、首都圏地下鉄の整備などインフラ開発について首相が協力の継続を表明。バンサモロイスラム自治地域(BARMM)の開発のために、災害対策用重機を供与することも決定した。その他、脱炭素、エネルギー移行、オープンLAN、観光などの分野での協力を促進することを申し合わせた。

 両首脳はまた、東・南シナ海情勢については、双方が深刻な懸念を共有。力による一方的な現状変更の試みは容認できないことを表明し、北朝鮮への対応でも緊密に連携することを確認した。

 また、イスラエル・ガザ情勢についても議論。岸田首相はガザ地区を実効支配するイスラム組織ハマスなどによる「テロ攻撃」を非難。人質の即時解放、一般市民の安全確保、すべての当事者の国際法に従った行動、周辺国への波及防止、早期沈静化が重要だとの日本の立場を説明した。

 岸田首相は午後2時半ごろに比に到着。午後6時半ごろに大統領宮殿入りし、首脳会談を行った。会談には、ジョクノ財務相、マナロ外相、国家経済開発庁のバリサカン長官、パスクアル貿易産業相、テオドロ国防相、バウティスタ運輸相ら経済・防衛閣僚が同席した。日本からは森屋宏内閣官房副長官らが同席した。

 明日は日本の首相として初の比議会演説を行い、日本の東南アジア諸国連合(ASEAN)の基本方針を表明するほか、比沿岸警備隊本部に立ち寄り、日本が供与した巡視船を視察する予定だ。(竹下友章)

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