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9月18日のまにら新聞から

サンゴの大量喪失を確認 中国船が密漁か 国軍発表

[ 906字|2023.9.18|政治 (politics) ]

国軍は中国船が集結する南沙諸島ロズル礁で大量のサンゴが喪失していたことを明らかに

 比国軍西部司令部のトップ、アルベルト・カルロス中将は16日、今月上旬から中国船が20隻以上集結していることが確認された南シナ海南沙諸島のロズル礁(英名イロコス礁)周辺の海底で、サンゴ礁の大量喪失が確認されていたことを明らかにした。集結している中国漁船は海洋民兵船を兼務しているとみられている。ロズル礁はパラワン島から約140カイリで比の排他的経済水域(EEZ)の内部。17日の英字紙マニラタイムズなど比各メディアが報じた。

 首都圏ケソン市のフォーラムに登壇した同中将は、7月にも同礁周辺に中国船が集結していたことを明らかにした上で、「(その際は)中国船を追い払った後に海底を調査しところ、サンゴの大量喪失が確認された」と報告。「まだ調査中だが、海底にはサンゴの残骸が残っており、少なくとも海軍ダイバーは最近密漁されたように見えたと報告している」と述べ、中国船が密漁を行った疑いに言及。

 その上で、「西部司令部が管轄していることの中でもこれは一大事。比のEEZの資源は比人のみが享受しなければならず、その主権的権利を守るのがわれわれの職務だからだ」と強調した。

 また、同フォーラムでは、5~6日の国軍の航空哨戒でロズル礁周辺に23隻確認されていた中国船が15日夜時点で40隻に増えていることも報告された。南シナ海の中の比の海域である西フィリピン海で、常に400隻以上の外国船が操業しており、その85%は中国船という。

 

 ▽再提訴も

 2016年に中国の主張を全面的に退けた南シナ海仲裁裁判の提訴チームの一員だったハルデレサ元訟務長官は16日、中国を相手取り新たな訴訟を提起することが可能だとの見方を示した。前回と異なり、今度は中国船の違法操業・危険操船などで被った損害額を明示し、それに懲罰的損害賠償を上乗せして請求するという形にすれば、訴因として成立する十分な可能性があるという。

 中国船によるサンゴ密漁は、2014年に日本の小笠原諸島と伊豆諸島の領海・EEZ内でも発生。その後の調査では、魚類の住処として機能していたサンゴが姿を消し、海底が砂漠化したことが分かっている。(竹下友章)

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