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6月5日のまにら新聞から

「南シナ海での協力拡大を議論」 初の比日米豪防衛相会談開催

[ 899字|2023.6.5|政治 (politics) ]

初の比日米豪防衛相会合が開催。南シナ海での安保協力拡大で一致

4カ国防衛相会談に参加した豪州のマールズ副首相兼国防相(左)、浜田防衛相(左から2番目)、ガルベス比国防相代行(3番目)、オースティン米国防長官=3日、シンガポール(オースティン国防長官公式ツイッターより)

シンガポールで開催中のアジア太平洋地域の防衛閣僚が集まる「アジア安全保障会議」(シャングリラ会合)のサイドラインとして3日午後6時過ぎ、初の比日米豪4カ国防衛閣僚間会合が開かれた。カルリト・ガルベス比国防相代行、浜田靖一防衛相、ロイド・オースティン米国防長官、リチャード・マールズ豪副首相兼国防相は「地域における共通の課題や4カ国の協力の拡大」について議論。「自由で開かれたインド太平洋」の実現に向けて共に取り組むことを確認した。

 会談の内容についての詳細は明かされていないが、オースティン国防長官は公式ツイッターで「南シナ海を含め4カ国をまたぐ協力を拡大する機会について議論した」と発表。比米間、比豪間で計画されている南シナ海での合同哨戒含む海上活動計画に関する4カ国共同の方法についても議論されたとみられる。

 既に海軍艦艇数で米国を上回る中国の軍事的脅威を背景に、「今日のウクライナは明日のアジア」という危機感から各国が防衛力強化・安全保障協力を急速に進める中、比日米陸軍ハイレベル懇談の実現や比米合同軍事演習「バリカタン」への豪州軍正式参加などに続き、アジアの2国間安全保障同盟を多国間安全保障ネットワークに統合することを目指す米国の安全保障戦略がもう一段階前に進められた格好だ。

 4カ国会談の前には日米豪3カ国防衛閣僚会談が開かれた。その共同声明は、中国を名指しして「国連海洋法条約をはじめとする国際法と整合的でなく、国際的ルール、基準および規範を損なう主張および行動」を取っているとし、「強い反対」を表明。また「比との協力強化の重要性を認識する」という文言も盛り込まれた。

 ▽アジアの火種

 ガルベス国防相代行は4日、シャングリラ会合で演説を行った。その中で同氏は「ウクライナにおける戦争で、冷戦後の世界でも大規模な軍事侵攻が発生しうるということが明らかとなった」とし、アジアでは「特に南シナ海、東シナ海、(台湾)海峡両岸は火種となっている』と指摘。その現状に対する比の安全保障政策として①法の支配の優位性の堅持②対話と多国間主義の追求――を挙げた。(竹下友章)

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