下院で憲法会議法案可決 改憲スケジュールを明記
下院で改憲の発議を行う憲法会議法が通過。今後の焦点は上院の審議に
下院は14日、憲法改正の発議を行う憲法会議の設置に関する細則を定めた下院法案第6号(憲法会議法案)を賛成301票、反対7票で可決した。下院は6日に、改憲が外資規制などの経済条項の改定を目的とし、同会議委員の選挙を10月30日に行う旨の憲法会議召集決議を賛成301、反対6、棄権1で採択していた。
憲法会議の召集には上下両院の3分の2以上の賛成が必要。上院では大統領任期を1期6年に限定する第7条をはじめとする政治条項が改定されることを懸念する議員も多く、ズビリ上院議長も現時点で「上院では3分の2の賛成票は得られない」と述べている。現在、改憲委員会で公聴会が開かれている上院での動きが今後の焦点となる。
今回通過した下院法案では明確に期限が定められた。会議委員選挙は10月30日に実施し、今年の12月1日に首都圏パサイ市の比国際会議センター(PICC)で会議を召集。委員の任期は同日から2024年6月30日までの7カ月間。それから1月以内に改憲に関する報告書を提出する。提出から60~90日以内に国民投票が実施される。
総数については各メディアが全員で300人超えの大会議体になると報じている。法案によると、会議を構成する委員は選挙および正副大統領、上下両議長からの合同任命により選出される。
任命される委員には全体の20%を構成するセクター代表も含まれる。退職裁判官、学界、法律専門家から少なくとも3人ずつ、経済専門家、医療専門家、科学技術専門家、財界代表、労働者代表、都市貧困層代表、農漁業従事者、先住民族、女性、若者、退職者、協同組合、高齢者および障がい者セクターから少なくとも2人ずつ選ばれる。その他、上下両議長が必要と定めた他の代表からも選出される。
政党や政治連合体は直接、間接に候補を推薦、支援することは禁じられる。また、立候補者は政党の代表として立候補できない。公務員が立候補した際は公職を退いたとみなされる。また、委員の日当は1万ペソ。召集にかかる費用は95億ペソと推計されている。(竹下友章)