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「両陛下を比に招待する」 マルコス大統領日本に出発

2023/2/9 政治
日本に出発するマルコス大統領(右)とルイーズ夫人=8日午後(大統領府公式フェイスブックより)

マルコス大統領が日本に出発。出発前の会見で両陛下を比に招待する意向を明らかに

 マルコス大統領は8日午後、公式訪問のために首都圏パサイ市のビリヤモール空軍基地から日本に出発した。12日まで日本に滞在する。大統領は出発前のスピーチで、「私とファーストレディ(ルイーズ夫人)は日本の天皇皇后両陛下に謁見する栄に浴する。その際に、両陛下をフィリピンに招待するつもりだ」と述べ、正式招待する意向を明らかにした。

 また、大統領は「訪日中、岸田首相と首脳会談を行い、両国の安全保障と経済関係、および両国の平和と繁栄に対する継続的な関与について議論を行う」と発表。「厳しい世界情勢の中、地域の主要国と政治的関係と防衛・安全保障協力を強化するとともに経済パートナーシップを構築するという現政府の外交政策にとって、日本訪問は『不可欠』だ」と強調した。

 その上で「現政権は比日間の戦略的パートナーシップ関係をさらに高いレベルに引き上げるため、日本との協力を緊密にすることを熱望している」と述べた。

 マルコス、岸田両首脳の立ち会いのもと、公式訪問中に人道支援・災害救援、インフラ整備、農業、デジタル分野などに関する7つの協定・覚書に署名されることが見込まれている。

 大統領と代表団はまた、日本の民間企業代表者らと会合を持ち、比への貿易、投資を促進するよう呼び掛ける。日本に滞在する比人とも面会する。

 昨年就任したばかりの大統領にとって、外国への公式訪問は現政権と外国政府との基本関係を規定する重要行事。今年はじめ大統領が中国に訪問した際は①228億ドルの企業投資約束②21億ドル規模の果物輸入の意思表明③総額2億180万ドルの政府開発援助・技術開発協力――という総額250億ドルの経済協力パッケージを持ち帰っている。

 また比中共同声明では、外務相間ホットライン開設、比沿岸警備隊・中国海警局間の合同委員会会合の開催、年次防衛安全保障協議の開催など、安全保障分野での協力強化が明記された。

 2017年に故安倍晋三元首相が比に公式訪問した際は官民合わせて5カ年で1兆円(約90億ドル)の経済協力を約束している。(竹下友章)

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