「比日米間の防衛強化模索」 第8回日比防衛次官級会合
国防省が第8回日比防衛次官級会談の内容公表。比日米3カ国間防衛協力強化へ
比国防省は13日、今月7日に首都圏マカティ市のフェアモントホテルで開催された第8回日比防衛次官級会談の内容を公表した。同会合には日本の防衛省から岡真臣(おかまさみ)防衛審議官、比からはフランコネメシオ・ガカル国防次官が出席した。
中国の南・東シナ海における海洋進出に加え、台湾を巡る米中緊張激化で台湾有事のシナリオが現実味を増すなか、両者は「比日米3カ国間の防衛協力強化のための可能なアイデア」について意見を交換した。
両者はまた「比日が防衛協力をさらに発展させる枠組み作りに向け協力することで合意している」ことを再確認。比日両政府は4月に初の外務・防衛閣僚会合(2プラス2)を開催し、「相互訪問および後方支援分野における部品・役務の相互提供を円滑にするための枠組み」を検討することで合意している。
この条文は兵站(へいたん)分野の協力協定である「物品役務相互提供協定」(ASCA)、訪問部隊の法的地位を定める「訪問軍協定」(VFA)の2協定締結を目指す内容。条約批准権を有する比上院は既に日本とのVFA締結を支持する意思を表明している。
両協定が締結されれば、比日関係も日豪関係のような「準同盟」関係に近づく。
両者は、今回の次官級会合により実務家レベルから閣僚級まで全レベルの防衛対話を実施できたことを強調。6日に戦後初めて日本戦闘機が訪比したことなど、比軍・自衛隊間の部隊間交流が増加していることを評価し、さらなる防衛協力促進への希望を表明した。(竹下友章)