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11月12日のまにら新聞から

「地域の中心性の認識を」 マルコス大統領が演説

[ 760字|2022.11.12|政治 (politics) ]

ASEAN首脳会議で大統領「地域間の結束やASEANの中心性を再認識する必要」

カンボジアの首都プノンペンで開催されている東南アジア諸国連合(ASEAN)首脳会議に出席するマルコス大統領=11日、大統領府報道長官室フェイスブックより

 マルコス大統領は11日、カンボジアの首都プノンペンで開催されている第40回東南アジア諸国連合(ASEAN)首脳会議に出席し、演説で「地域間の結束やASEANの中心性を再認識する必要がある」と強調した。

 大統領は「ASEANの中心性を再認識することが不可欠。これは地政学的な動きや緊張、緊密なパートナーシップを含むインド太平洋地域への関係性が広がっているためだ」と説明。自然災害や保健衛生上の緊急事態、武力紛争、経済不況などの問題に直面しているASEAN地域の連携強化も提言した。

 また国軍と市民の対立が深まるミャンマー危機について、2021年4月に首脳級会議で確認された、対話を促し暴力の即時停止を求めるASEAN「5つの合意」の和平促進構想を迅速に実施する必要性を訴えた。大統領は「ミャンマー市民の苦しみが長引くのは、5つの合意の履行が進んでいないため」と指摘し、ミャンマー関係者を巻き込み建設的なアプローチを続けるよう促した。

 経済面では観光分野の復興やエネルギー協力、貿易と投資の活性化を通じた地域経済の発展に協力するよう関係各国に求めた。

 大統領は「農務相級会合下での取り組み強化や事業拡大を通じてASEANプラス地域の食料安全保障協力を強化しよう。世界の食料供給網の混乱や気候変動の悪影響から地域と自国を守るため、新しい農業技術を活用し、食料自給率を促進する必要がある」と付け加えた。また、デジタル技術の向上が零細中小企業や電子商取引プラットフォームに恩恵をもたらすとしたほか、医療システムにおけるデジタル化やサイバー安全保障分野での協力も強化する必要があると訴えた。さらに、気候変動問題について、2050年までにカーボンニュートラルを達成する義務を果たすよう参加首脳らに促した。(沼田康平)

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