比軍に7000万ドル支援 EDCAに基づき米国政府
駐比米国大使によると米国が比国軍のインフラ整備に2年で7000万ドル支援する見通し
カールソン駐比米国大使は26日、2014年に締結された米軍の比国軍基地の利用とそのための整備支援を規定する比米防衛協力強化協定(EDCA)に基づき、米国が「比軍のインフラ整備のため向こう2年間で7000万ドルを支出する見込みだ」と明らかにした。
GMAニュースによると、同大使は「比国軍のためのインフラ整備は比米両国のニーズを満たす方法で、防衛能力を強化し、人道支援活動能力を高めるために設計されている」と説明。また、米国は南シナ海における比の防衛・安保能力強化のために「過去5年間で6億2500万ペソを拠出してきた」と述べた。
また「『比の領域を1インチたりとも譲らない』というマルコス大統領の発言を米国は支持する」と表明。「南シナ海については同盟国として比の排他的経済水域(EEZ)や大陸棚を『不法に要求する国』に対し共に立ち上がる」とした。
さらに、パラワン島から約103カイリの地点にあり比が実効支配する南沙諸島のアユギン礁(英名セカンドトーマス礁)、同島から138カイリの距離にあり比中で合同資源探査も計画されていたレクト礁にも言及。
「米国は2礁の周辺海域を含め、2016年の国際仲裁裁判所の判断に従い、フィリピンの主権的権利と管轄権を認めており、『あらゆる挑発行為と脅威』に対し、比と共に抑止し、対応する立場にある」と述べ、海洋進出を強める中国を念頭に強い言葉で米軍の南シナ海問題への関与の姿勢を表明した。
国連海洋法条約により、EEZは領海基線から200カイリの範囲と定められている。(竹下友章)