領海防衛で連携強化 比米豪初の同時合同訓練
国軍が比米海上合同訓練「サマサマ」と比豪海上合同訓練「ルンバス」を同時実施
比国軍は11日、比米海上合同訓練「サマサマ」と比豪海上合同訓練「ルンバス」を同時に開始した。2訓練の同時実施は初めて。同訓練には、日本の海上自衛隊、英国海軍、フランス海軍、カナダ海軍、マレーシア海軍、ブルネイ海軍も災害救助・人道支援訓練に参加する。訓練に加わる9カ国の将兵は総勢742人。開始式はラプラプ市比海軍本部で開かれた。訓練はビサヤ地方の複数の場所で行われるほか、パンパンガ州クラーク空軍基地も使用される。
比国軍によると、今回の訓練は領海防衛および天災・人災対応、テロリズム、国際犯罪など非伝統的安全保障問題に対応するための能力構築のほか、海上法執行活動、海上艦船整備、航空作戦、対潜水艦戦などに関する戦闘作戦の相互運用性の向上を狙いとする。
また、南シナ海における航行の自由という共通の価値を共有する北米・欧州・東・東南アジア各国と広く軍事連携を強化することで、海洋進出を狙う中国をけん制する効果もありそうだ。
開始式にはバルトロメ・バカロ国軍参謀総長も出席。「今年の合同訓練は疑いなく参加国間の同盟関係と友好関係を強化するとともに、地域的安全保障への努力の一環となり、海上作戦能力を高める」と述べた。
11日の開始式典にはシーザー・バレンシア比海軍司令官、米国海軍第7艦隊のカール・トーマス司令官、レイ・レガット豪海軍司令本部参謀長、海上自衛隊航空集団の松本完司令官、英海軍HMSスプレー艦長のマイク・プラウドマン代将らが出席した。(竹下友章)