マルコス大統領首脳会談へ 初外遊、インドネシア大統領と
マルコス大統領は4日朝、大統領就任後初の外遊先となるインドネシアに向けニノイ・アキノ国際空港から出発、同日午後0時35分にインドネシアのスカルノハッタ国際空港に到着した
マルコス大統領は4日朝、大統領就任後初の外遊先となるインドネシアに向けて二ノイ・アキノ国際空港を出発し、同日午後0時35分にインドネシアのスカルノハッタ国際空港に到着した。5日にジョコ・ウィドド大統領との首脳会談に臨む。
大統領は4日から7日にかけてのインドネシア、シンガポール歴訪の主な目的として、ポスト・コロナ禍に向けた経済協力や新たな投資を誘致することを挙げている。
出発前の演説で大統領は「今回の東南アジア諸国連合(ASEAN)の近隣諸国への公式訪問は、活気のある貿易や投資の潜在力を活用することを目指すもの。経済、ビジネス会議などを開催し、比国の輸出品に対する投資やバイヤーを積極的に誘致し、経済復興を加速させたい。インドネシア及びシンガポール各国との経済協力を強化し、実りのある取引につなげたい」と述べた。
マルコス大統領は4~6日まで、ジョコ・ウィドド大統領から招請されていたインドネシアで過ごす。同国での合意が期待されるものとして、今後5年間のフィリピン・インドネシア行動計画があり、防衛・安全保障協力や経済・文化に関する協定も含まれる。また比はインドネシアから経済、特に農業やエネルギー分野での投資を引き出せないか狙っているようだ。
またアンヘレス大統領報道長官によると、5日のウィドド大統領との首脳会談では、違法薬物を密輸したとして死刑判決を受け収監されている比人海外就労者(OFW)の女性についても処遇を話し合うとみられる。
大統領は、6日にシンガポールへ移動し、ハリマ・ヤコブ大統領やリー・シェンロン首相と会談し、複数の二国間協定に署名する見込みだ。
今回の外遊には、大統領の妻であるルイーズ・マルコス氏=ファーストレディ=と息子のサンドロ・マルコス下院議員=北イロコス州第1区=も同伴。代表団には、マナロ外相、ジョクノ財務相、パスクワル貿易産業相、パンガンダマン予算管理相、バリサカン国家経済開発長官、比中央銀行のメダリア総裁らも同行している。
マルコス大統領が不在期間中は、サラ副大統領=教育相兼務=が大統領代行を務める。
▽OFWとの懇親会に参加
インドネシアに到着したマルコス大統領とその代表団はさっそく首都ジャカルタのフェアモント・ジャカルタ・ホテルで開催された、OFWらとの懇親会に参加した。大統領は終始笑顔でイベントを楽しみ、演説では「あすウィドド大統領と会談し、73年の歴史をもつ二国間パートナーシップをさらに強化し、防衛、安全保障、貿易や投資などの面で協力していきたい」と意気込みを語った。
マルコス大統領は今年の大統領選の在外投票選挙の中で、50%以上のOFW票をインドネシアから獲得したとされる。(沼田康平)