米議員使節団がデリマ氏と面会 警察からは直前に妨害も
米議員使節団がドゥテルテ政権期から国家警察本部に拘束されているデリマ元上院議員と面会
エドワード・マーキー米上院議員=民主党=率いる米議員使節団が19日正午ごろ、モンテンルパ地裁の許可を受け、首都圏ケソン市の国家警察本部に勾留されているレイラ・デリマ元上院議員に面会した。デリマ氏はドゥテルテ前大統領が推し進めた麻薬撲滅政策反対の急先鋒として知られていたが、前政権期に自身が麻薬取引関与の罪で訴追され、2017年2月から勾留されている。一方、マーキー議員は2019年にデリマ氏拘束への非難決議を通過させたことで、前政権から入国禁止措置を受けていた。
デリマ氏は20日、代理人を通じて声明を発表。「国家警察の規則上、外国人の被勾留者面会には裁判所の許可は必要ないが、当初の訪問予定日(18日)になって警察は裁判所命令が必要と伝えてきた」とし、面会を妨げようとする動きがあったことを明らかにした。一方で、面会の緊急申し立てを受理した司法省には感謝の意を表した。
その上で「この政権の内の誰かが、政権交代後1カ月以上経っているのにまだ『良心の囚人』である私と外国の使節団が面会することを恐れている」と指摘。「そのような行動は外交摩擦のリスクを高め、マルコス現政権を困らせる結果以外の何ももたらさない」と非難した。
また、マルコス政権について「凄惨で無能だった前政権の直後だから、私より大きな困難を抱えいる」とし「一部前政権の閣僚の使い回しがあるが、政府要職の多くに経験と能力のある人物を就けることで、前政権と異なることを示しつつある」と一定の評価を下すとともに、前政権路線との決別を促した。
マーキー氏が率いる議員団については「私の窮状に関心を寄せ、良心の囚人である私の戦いを支援してくれた」とし、感謝を表明した。
国際人権団体「アムネスティ―・インターナショナル」は2019年にデリマ氏を思想や言論などにより不当に逮捕された「良心の囚人」であるとし、即時釈放を求めている。(竹下友章)