比が米中に対話呼びかけ 米下院議長訪台で緊張高まる
ペロシ米下院議長訪台で中国が対抗措置を警告し緊張高まる。比は対話呼びかけ
ペロシ米下院議長の台湾訪問に対し中国が「自制しなければ対抗措置を取る」と宣言していることを受け、比外務省のダザ報道官は2日、「不測の事態発生と緊張のエスカレートを避けるため、米中が確実にコミュニケーションを継続することが極めて重要だ」と指摘し、米中に対話を促した。
ペロシ米下院議長は、ハリス副大統領兼上院議長に継ぐ米国のナンバー3。米下院議長の訪台は、クリントン政権下だった1997年のキングリッチ議長以来25年ぶり。
7月28日に行われたバイデン米大統領・習近平中国国家主席の電話会談では、習国家首席が「火遊びすれば身を焦がす。ペロシ氏の訪台を押し通すなら『対抗措置』を取る」と明言。人民解放軍が台湾海峡にミサイルを発射する可能性も取り沙汰されている。
アジア歴訪中のペロシ議長は、マレーシアから台湾に移動する際、パンパンガ州クラーク空軍基地を経由するとの報道もあった。それについて比外務省は「否定も肯定もしない」と回答。その後、「米国側からクラーク基地使用の要請はなかった」との公式見解を出した。
6日にはブリンケン米国務長官が訪比し、マルコス大統領と面会する予定。東南アジア諸国や日韓台との関係を強化し、中国の覇権に対抗姿勢を強める米国側は「台湾有事」の際の比の協力も含め協議を行うとみられる。(竹下友章)