大統領が農相兼任へ ボンボン・マルコス氏
マルコス次期大統領は政権発足後の初期において、自身が農務相を兼任へ
ボンボン・マルコス次期大統領は20日、政権発足後の初期において、自身が農務相を兼任すると明らかにした。またダール現農務相は同日、ケソン州のコメ農家に恩恵を与えるとする覚書「ウィー・ウィル・ライス・プログラム」(「上昇する」を意味する「ライズ」に引っ掛けて)に新たに署名した。サラ・ドゥテルテ副大統領も教育相に指名されており、正副大統領がともに閣僚を兼任するのは異例。
ボンボン氏は記者会見の中で「少なくとも今のところ、農務省を来るべき数年に備えるような形に再編成できるまでは、農相を私が引き受けることにした」と語った。
ボンボン氏はこれまでも、コメ価格を引き下げることを公約の一つとして強調しており、1キロ当たり20~30ペソの上限をもうける提案を準備していることを明らかにしていた。また、価格引き下げのための助成金も選択肢の一つとして、政権発足の初年度に検討する予定であるともしていた。
一方、農務省とヨベル・イースト研究開発社、そしてヤカップ・アト・ハリク・多目的協同組合ケソン1(YHMPCQ1)との間で、同プログラムの実施を強固に進めていく覚書が結ばれた。同プログラムは元々ヨベル・イーストによってすでに実施されていたもので、OneDA改革アジェンダの主要戦略である「農地集積、農業機器の提供、民間機関の農業への参画」に沿ったプログラムだという。
今後、ヨベル・イーストは同プログラムの受益者であるYHMPCQ1が収穫する稲を調達し、「乾燥前のコメ価格の大幅な下落から農家を保護する」としている。また調達したコメの買い手を探すとともに、稲の生産コスト引き下げのための技術システムの構築も目指している。
農務省の14日の声明の中でダール農相は、ボンボン次期大統領の望むコメの価格引き下げに向けてプログラムを描いていることを表明していた。(岡田薫)