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6月18日のまにら新聞から

エンリレ氏を顧問に指名 ボンボン・マルコス次期大統領

[ 872字|2022.6.18|政治 (politics) ]

エドサ革命を成功に導いたエンリレ元国防相が36年を経てマルコス次期政権の閣僚に

 アンヘレス次期大統領報道班長は17日、ボンボン・マルコス次期大統領がエンリレ元国防相(98)を次期大統領法律顧問に指名したと発表した。エンリレ氏は故マルコス元大統領政権で14年間国防相を務めたが、86年のエドサ革命(2月政変)で当時のラモス国軍参謀次長=後の第12代大統領=と共に反旗を翻し、政変を成功に導いた人物。36年を経て、再度「マルコス政権」に閣僚入りすることになった。17日の英字紙インクワイアラー電子版など各紙が報じた。

 エンリレ氏は既にボンボン氏からの申し入れを受諾。アンヘレス次期大統領報道班長によると「持てる時間と知識を国民とボンボン氏に捧げたい。ボンボン氏の成功を望んでいる」とコメントした。

 エンリレ氏はフィリピン大法学部を学業成績優秀者で卒業後、司法試験に合格し、米ハーバード大法科大学院で修士号を取得。故マルコス大統領が上院議員の時代から顧問弁護士を務め、政権発足後は財務相代行(1966~68年)、司法相(68~70年)、国防相(72~86年)を歴任した。

 ▽国軍トップが国防相

 アンヘレス次期大統領報道班長はまた、ファウスティノ前国軍参謀総長が次期国防相に内定したと発表した。元武官の大臣着任を1年間禁止する法律(共和国法第6975号)があるため、一度国防省首席次官に任命された後、11月13日に正式就任する予定。

 元国軍参謀総長のアニョ現内務自治相も同様のプロセスを経て大臣ポストに就任している。

 また、ゲバラ現司法相は16日に次期訟務長官への就任が決定した。

 同氏は74年にアテネオ大政治学部を卒業後、77年フィリピン大で経済学修士を取得。国家経済開発庁や中央銀行で経験を積むかたら、85年にはアテネオ大法学部を卒業し、司法試験にも合格。87年憲法の起草にも携わっている。

 ゲバラ氏は麻薬撲滅政策下の超法規的殺害問題で内部調査を主導。最近では政府の「赤タグ付け」に対し批判的な見解も表明している。また、ドゥテルテ大統領の過激発言を軌道修正することも度々あった。(竹下友章)

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