安保顧問に元国防大学長 次期政権さらに2閣僚内定
次期大統領国家安保顧問にクラリタ・カルロス元国防大学長が内定した
ボンボン・マルコス次期大統領の陣営は8日、次期大統領顧問=国家安全保障担当=にクラリタ・カルロス元フィリピン大教授、次期農地改革相にコンラド・エストレリャ現下院議員を任命すると発表した。カルロス氏は1998~01年に女性、文民として初の比国防大学長を経験。国家安保顧問に着任した後は、「赤タグ付け」で知られる共産主義勢力との紛争を終わらせる国家タスクフォース(NTF-ELCAC)の副議長、テロ防止法に基づくテロリスト・テロ組織認定を担うテロ防止委員会の副委員長を務める見込み。
カルロス氏は2月、ボンボン氏寄りだったとされるテレビ局SMNI主催の大統領候補討論会にパネリストとして参加し、ボンボン氏の対立候補を厳しく追及した。その後、比大政治学部は同氏の名前が記載されていない名誉教授名簿を公開している。
SMNIはドゥテルテ政権を支援してきた新興宗教「イエスキリストの王国」の所有放送局。同宗教教祖キボロイ師は人身売買を指示したとして米国で起訴されている。
一方、農地改革相に内定したエストレリャ氏は、故マルコス元大統領政権下で農地改革担当相を務めた故コンラド・エストレリャ・シニア氏の孫に当たる。政党リスト制から当選した下院議員として、2010年有機農業法(共和国法第10068号)を起草。また、民放大手ABS―CBN放送免許更新停止に賛成票を投じたことで知られる。(竹下友章)