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2月10日のまにら新聞から

ドゥテルテ氏支持率75%に上昇 次期大統領指名に影響力維持

[ 1265字|2022.2.10|政治 (politics) ]

21年12月の大統領支持率は9月調査から8ポイント増の75%に上昇。純支持率も60%に伸びた

 民間調査会社ソーシャルウエザーステーション(SWS)は8日、昨年12月に実施した大統領支持率に関する調査の結果を発表した。それによると、ドゥテルテ大統領の支持率(満足率)は75%となり昨年9月の前回調査より8ポイント上昇。支持率から不支持率を引いた「純支持率」は前回比8ポイント増の60%で「極めて良い水準」に分類された。政権末期に支持率を高めたことで、次期大統領候補への指名の影響力も維持した格好だ。

 大統領への純支持率は新型コロナワクチン接種への賛否によって明確な差が表れた。接種完了者の純支持率は61%、1回目の接種を受けた人は63%、接種を受けたいと思っている人は67%だったのに対し、接種するか決めていない人は47%、接種したくないと考えている人に至っては29%に留まった。

 ただ、接種の意思決定をしていない人は全体の6%、接種拒否の意志を持っている人は全体の8%に過ぎず、全体の支持率への影響は限定的だった。

 年齢階層別に見ると、18〜24歳の純支持率は前回比10ポイント増の68%、25〜34歳は8ポイント増の64%、35〜44歳は13ポイント増の66%、45〜54歳は10ポイント増の62%、55歳以上は4ポイント増の49%だった。

 経済回復や接種事業の進展を背景に伴い全世代で純支持率が上がったが、若者世代の高支持率に対し、高齢世代は相対的に支持率が低いという構造は変わらなかった。高齢世代には現政権をマルコス時代の権威主義的統治と重ね、警戒心を持つ層が一定数いることも要因の一つとして考えられる。

 また、同調査によると、退任・辞任前年末の歴代大統領の純支持率は、コリー・アキノ大統領が10%(91年11月)、ラモス大統領40%(97年12月)、エストラーダ大統領9%(00年12月)、アロヨ大統領マイナス38%(09年12月)、ノイノイ・アキノ大統領32%(15年12月)となっている。歴代大統領と比較すると、ドゥテルテ大統領は政権末期にありながら異例の高支持率を維持し続けている。

 調査は昨年12月12〜16日の間、18歳以上の比人1440人を対象に対面形式で実施された。

 

 ▽「後継者まだ指名せず」

 ドゥテルテ大統領が異例の高支持率を保つなか、5月の大統領選に立候補している候補者の中から誰を後継者に指名するかに注目が集まっている。

 9日付英字紙スターによると、ドゥテルテ大統領は7日夜に放送された国営テレビ番組で、ほとんどの候補が「大統領推薦を求めている」と発言。その上で「やむを得ない理由がないかぎり、現時点で候補者指名をする意志はない」と述べた。

 さらに、全員が「大統領候補の資格があると思っている」との見解を表明。立候補資格取り消しが取り沙汰されている「最有力候補」のボンボン・マルコス氏への歩み寄りとも取れる発言だ。

 また「共産主義者の手に落ちようとしている候補もいる」との発言も飛び出したが、どの候補を指しているかは明言しなかった。(竹下友章)

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