「ボンボン氏は弱いリーダー」 ドゥテルテ氏「口撃」開始 与党候補分裂鮮明に
ドゥテルテ氏が故マルコス元大統領長男ボンボン氏を「弱いリーダー」と批判した
ドゥテルテ大統領は18日、東ミンドロ州の首長らとの会合後の会見で、娘のサラ・ダバオ市長のペアとして大統領選に与党・連邦党から立候補している故マルコス元大統領の長男、ボンボン・マルコス元上院議員について「弱いリーダー」などと批判した。ドゥテルテ氏は、与党・血盟連邦党(PDDS)=18年結党、上院1議席=から大統領選に代理立候補した「側近中の側近」ボン・ゴー上院議員を推しており、与党系分裂の様相が色濃くなった。
同日、ドゥテルテ氏が名誉総裁を務める最大与党・PDPラバンが、サラ氏を副大統領候補として擁立しているラカスCMDと「共闘する可能性はあるか」と記者団から尋ねられた大統領は「それはない」と断言。「ラカスCMDはボンボン氏率いる連邦党(PFP)と同盟関係だからだ」とした。
大統領はボンボン氏について「彼は海外で学び、きれいな英語で演説できるが、中身は甘やかされて育ったどら息子だ。危機のときにリーダーシップを発揮できず、お荷物になるだろう」とし「これは侮辱でなく、真実だ」と念を押した。
ボンボン氏は自身が名誉総裁を務める連邦党から大統領選に立候補、サラ氏はラカスCMDから副大統領選に代理立候補しているが、両党は2人をペアとして相互推薦している。一方、PDPラバンはボン・ゴー氏を大統領候補に推薦。副大統領候補については未定だが、同党のマティバグ幹事長はサラ氏の推薦も示唆していた。
ボンボン氏は各支持率調査でトップを独走。対するゴー氏はサラ氏が立候補を表明していない10月世論調査で副大統領候補としては首位に立ったこともあり、国民的な認知度は高い。(竹下友章)