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「せめて投票の意思表示を」 第49回衆院選の在比公館投票 3公館でわずか220票

[ 1009字|2021.11.7|政治 (politics) ]

第49回衆院選の在外公館投票で、フィリピンの3公館の投票総数は比例代表と小選挙区とも202票ずつだった

 第49回衆議院議員総選挙が10月31日に行われ、フィリピンでも在外公館投票が10月20~25日に実施された。

 首都圏パサイ市の在比日本大使館、在セブ総領事館、在ダバオ総領事館を合わせた投票総数は、比例代表、小選挙区ともに220票ずつだった。

 投票数の内訳は、日本大使館176票、セブ総領事館26票、ダバオ総領事館18票だった。

 今年8月15日時点での在外選挙人登録者数は、大使館1080人、セブ総領事館13人、ダバオ総領事館18人。セブ総領事館では投票数が登録者数を上回っているが、これは、在外選挙人証とパスポートなどの身分証明書を提示すれば、登録した在外公館でなくても在外投票が可能という規定により起こり得るとしている。

 投票会場の1つだった在比日本大使館では、在外選挙人証と身分証の確認、投票用紙への記入、提出がスムーズに行えるよう、訪れた有権者1人1人に対し事務員が丁寧な説明を行った。記入した投票用紙を指定の封筒に入れて封をした状態で事務員に渡し、大使館から日本へ送られる。新型コロナ対策のため、プラスチックの仕切りや消毒液も完備されていた。

 最終日の10月25日、投票のため在比日本大使館を訪れた20代の女性は、「今回の選挙に間に合うか微妙だったが、せめて投票の意思表示だけでもと思い在外選挙人登録をした」とし、「結果、幸いなことに間に合った。自分自身、選挙で投票率が特に低いと毎回嘆かれる20代なので、しっかりと一票を投じるために足を運んだ」と話した。

 総務省は1日、今回の小選挙区投票率が55・93%で戦後3番目に低い水準だったと発表。前回在外公館投票が行われた2019年7月の第25回参議院議員通常選挙では3つの在外公館投票の総数は比例代表309票、選挙区306票だった。

 コロナ禍で帰国した人も多く、投票に来られなかったり郵便で投票したりする人が増えた可能性はある。しかし、13年の参院選では大使館のみで比例と選挙区ともに487票ずつと、今回の3公館の総数の2倍を上回ることからも、投票数は大きく減っている。

 外務省の「海外在留邦字数調査統計」(20年10月1日現在)によると、在留届提出済みの比国内の邦人は1万6990人。今回の第49回衆院選の在外公館投票は、マニラの大使館では10月20〜25日、セブ・ダバオ総領事館では同月20〜24日に実施された。(深田莉映)

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