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9月11日のまにら新聞から

父娘の「駆け引き」本格化 サラ氏が「不出馬」表明

[ 958字|2021.9.11|政治 (politics) ]

サラ氏が「大統領選に立候補しない」と声明。父娘の「駆け引き」繰り広げられる

ボアオ・アジア・フォーラムに参加するため中国南海省に到着したドゥテルテ大統領(左)とダバオ市長で娘のサラ氏=2018年4月(AFP=時事)

 ドゥテルテ氏は8日、自身が名誉総裁の最大与党PDPラバンからの次期副大統領選への出馬要請を受諾した。これを受け、大統領候補人気トップに立ち続ける娘のサラ・ダバオ市長は9日、「私は大統領選に立候補しない」との声明を発表した。サラ氏率いる地方政党、改革党は「PDPラバン公認のゴー─ドゥテルテ正副ペアを支持しない」と宣言。10月1日に控えた立候補届出まで、父娘の波乱含みの「駆け引き」が繰り広げられている。

 GMAニュース電子版などによると、サラ氏の発言に、バウティスタ改革党副総裁は「全く動じていない」と発言。「立候補届けはまだ先だ。あらゆることが起こりうる。サラ氏は国民のために働く情熱を持っており、他のことは後からついてくるだろう」と語った。

 サラ氏は出馬を見合わる理由について「国政に出るのは私たちのうち1人だけだ。父も同意している」と話した。これに先立ち、PDPラバンから正式に大統領候補として指名を受けたゴー氏も8日、出馬辞退の意思を改めて表明。同氏は8月30日、「ドゥテルテ氏が副大統領選に出馬せず、サラ氏が大統領選に出馬する場合のみ副大統領選に出るつもりだった」と発言していた。

 またゴー氏は2日には「ドゥテルテ氏は単独で出馬する。大統領の席は誰に対してもオープンだ」と述べていた。PDPラバンのクシー総裁は、出馬を固辞し続けるゴー氏を党公認大統領候補に指名することで、「結果としてドゥテルテ父娘ペア」のシナリオ実現を達成する狙いがあったともみられる。

 ▽父からの打診に反発

 一方サラ氏は、これまでもドゥテルテ氏による取り込みの動きを拒絶。8月25日には「ゴー─ドゥテルテペアへの支持か、ゴー氏を副大統領のペアに選ぶか」を父から打診されたと暴露し、「丁重にお断りする」と拒否。政権の後継者を作ろうとするドゥテルテ氏と、父の傀儡(かいらい)政権化を拒絶する娘との駆け引きという面もありそうだ。

 父娘の対立ついては、ドゥテルテ氏の元妻ジマーマン氏と現在の事実婚相手アバンセニャ氏との代理戦争なのではとの憶測も飛んでいる。これに対し、サラ氏本人は「何のわだかまりもない」と否定。今回の声明でも「今度の決断は家族関係に影響しな い。個人的なことは何もない」と述べた。(竹下友章)

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