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7月1日のまにら新聞から

ドゥテルテ後継選びが本格化 大統領選立候補届けまで3カ月

[ 1457字|2021.7.1|政治 (politics) ]

次期正副大統領選の立候補届受け付けまであと3カ月。候補者選定の動きが本格化

 次期正副大統領選の立候補届受け付け開始まで1日で、あと3カ月に迫った。立候補を正式表明した有力政治家はまだいないが、政権与党側では与党連合の中核、PDPラバンを中心にドゥテルテ後継選びをめぐる動きが本格化。反政権側も現政権批判勢力の結集を目指す運動体「イサンバヤン」を中心に候補の選定が進められている。

 ドゥテルテ大統領は28日、テレビ放映された国民向け演説で、自身の副大統領選立候補について「悪い考えではない」 と述べ、副大統領として政権にとどまる可能性があることを示唆した。ドゥテルテ氏は16日の会見では、副大統領候補の1人に名が挙がるロムアルデス下院与党院内総務が立候補した場合は「私が副大統領選に出ることはない」と述べる一方で、ロムアルデス氏が出ない場合は「神の思し召し次第」と、含みを持たせていた。

 ドゥテルテ氏が名誉総裁を務めるPDPラバンは5月末の党員総会で、ドゥテルテ氏を党公認の副大統領選候補に指名する決議を採択。30日付英字紙マニラタイムズ紙によると、ドゥテルテ氏の長年の側近であるボン・ゴー上院議員を大統領候補に、ドゥテルテ氏を副大統領候補とするペアについて、PDPラバンの名誉副総裁クシー・エネルギー相はABS─CBNのニュース番組で「党員 の9割以上が支持するだろう」と述べた。

 一方、同党の総裁代行であるパッキャオ上院議員も大統領選立候補の意欲を隠さず、同党の全国集会のボイコットを呼びかけるなどクシー氏側と対立。政権の汚職を指摘した発言を機に、ドゥテルテ大統領との関係も急速に悪化している。

 これまでの世論調査で大統領候補として一番の人気はドゥテルテ大統領の娘であるサラ・ダバオ市長。立候補をまだ表明していないものの、「すでに出馬を決意している」とアンダヤ下院議員が発言。ベルモンテ元下院議長がサラ氏と副大統領候補のテオドロ元国防相のタッグを支持しているとも報じられた。テオドロ氏は7月3日にダバオ市でサラ氏と再度面会する予定という。

 ロケ大統領報道官は29日の会見で、ドゥテルテ大統領が次期大統領候補について「私が本当は出馬させたい人物はサラだが、彼女はそれを好まなかった。他の3人の中で数字を持っている人を選ぶ必要がある」と述べたことを明らかにした。

 他の3人として、最初にパッキャオ上院議員、2番目にマニラ市のイスコ・モレノ市長、3番目にボンボン・マルコス元上院議員を挙げたという。

 反政権側では、イサンバヤンが「独立記念日」の6月12日、大統領・副大統領候補者として、ロブレド副大統領、グレース・ポー上院議員、トリリャネス元上院議員、ビルマ・サントス下院議員、エディー・ビリャヌエバ下院副議長、人権派弁護士チェル・ジョクノ氏の6人を選んだと発表。7月末をめどに、イサンバヤンや連帯する組織のメンバーのアンケート結果で候補者を絞り込む方針。自由党のロブレド副大統領に対しては、支持者らによる出馬要請運動も始まっており、本人も意欲を示していると言われている。ノイノイ・アキノ前大統領の急逝に伴い、同政権を再評価する動きが大統領選に影響する可能性もある。

 中央選管によると、立候補届受け付けに当たる候補者登録証明書(COC)の提出期間は10月1〜8日。10月29日にホームページなどで「候補者の暫定リスト」の掲示を始める。正副大統領候補者の選挙運動期間は2022年2月8日〜5月7日(4月14、15日は選挙運動を禁止)。投票日は5月9日。(谷啓之)

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