北ラナオ州は否決 コタバトの21区は加入へ
バンサモロ自治政府への参加の賛否を問う住民投票により北ラナオ州の6町は不参加
バンサモロ自治政府への加入の賛否を問う第2回の住民投票の開票が前日に続き7日も行われ、ミンダナオ地方北ラナオ州全体では反対が賛成を上回り、自治政府に加入しないことが決まった。コタバト州の開票は7日夜の時点でも続いているが、フィリピンメディアの報道では、少なくとも21のバランガイ(最小行政区)が自治政府に加入する見通しとなっている。
今後、大統領の任命によりバンサモロ暫定統治機構(BTA)が発足、2022年に選挙が行われた後、バンサモロ自治政府が発足する予定。
北ラナオ州ではパンタル、バロイ両町などイムラム教徒が多数居住する6町のすべてで賛成が反対を上回った。しかし、州全体では6町の自治政府加入に対する賛成票は、反対の半分ほどにとどまり、バンサモロ基本法(BOL)の規定に基づき、6町の加入は否決された。
コタバト州については、英字紙インクワイアラー(電子版)が選挙管理員会ソックサルジェン地域事務所長の話として「集計は9割を終え、21のバランガイの参加が決まった」と報じている。バランガイの参加条件である町全体の過半数の賛成を得られた地域があったとみられている。ただし、州全体では加入せず、バランガイ単位での加入になる。
今後、現地での集計を終え、11日以降に選挙管理委員会が最終結果を公表する。
BOL自体は1月21日に行われた第1回の住民投票で承認され、今回の投票で最終的な領域が確定する。今後、モロイスラム解放戦線(MILF)や先住民の代表ら80人のメンバーからなるバンサモロ暫定統治機構(BTA)が発足する。
ガルベス大統領顧問(和平担当)によると、代表候補者80人のリストは既に大統領府に提出されており、住民投票の最終結果判明後、BTAの正式発足日が明らかになる見通し。
BTAは暫定的な行政権と立法権を持ち、大統領の任命によってチーフ・ミニスター(首相)代行が置かれる。その後、22年5月にBTAは自治政府に移行する予定。(森永亨)