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12月13日のまにら新聞から

来年末まで戒厳令延長へ 上下両院が承認 3度目 ミンダナオ地方全域で

[ 862字|2018.12.13|政治 (politics) ]

上下両院の特別合同議会が、来年末までミンダナオ地方での1年間の戒厳令延長を承認

 ミンダナオ地方全域に布告されている戒厳令の延長を審議する特別合同議会は12日午後、2019年末まで1年間の延長を賛成235、反対33で承認した。延長理由は、同地方に潜伏するイスラム過激派の掃討と治安維持。昨年5月にマラウィを過激派が占拠して戦闘が始まった直後に布告された戒厳令は、戦闘終結後も続き、これで3回目の延長となった。

 ドゥテルテ大統領は先週、ミンダナオ地方にアブサヤフ、バンサモロ・イスラム自由戦士(BIFF)など過激派「イスラム国」(IS)を支持するグループが潜伏しているとして、上下両院議長に戒厳令延長承認を要請。メディアルディア官房長官は12日、「過激派の潜伏などミンダナオはまだ『反乱のさなか』にあることを私たちは忘れてはならない」と戒厳令の必要性を説明した。

 大統領府は同日、「延長はミンダナオの人々の安全や暮らしを守る」と延長承認を歓迎する声明を発表した。

 人身保護令状の停止措置のほか、戒厳令下では警察官や国軍兵士が逮捕令状なしに誰でも拘束することが可能。国軍らは過激派制圧に「戒厳令は必要」と主張しているが、人権団体などは人権侵害や不当逮捕が多発していると批判している。

 アルバヤルデ国家警察長官は人権侵害への懸念に対し「人権を尊重した治安維持活動で、さらにもう1年、ミンダナオの和平を守っていく」とした。ロレンサナ国防長官はマラウィでの戦闘などに関与したテロリスト180人の行方を今も追っているとしている。

 下院議員は223人が賛成、28人が反対票を投じ、上院は12人が賛成、5人が反対だった。反対票を投じた上院議員は、ドリロン、エスクデロ、ホンティベロス、アキノ、パンギリナン各議員。

 大統領は17年5月23日、マラウィ市での占拠事件に伴い同地方に60日間の期限で戒厳令を布告。7月末には同年末までの5カ月の再延長を議会が承認。同年10月の国軍と過激派の戦闘終結後も、過激派掃討と治安維持を理由に12月、議会は18年末までの1年間の延長を承認していた。(冨田すみれ子)

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